共通語でいこうよ |
歌詞づくりの二回目です。前回、歌詞は「話しことば」の仲間と考えよう・・とお話ししました。突然ですが、あなたは何処にお住まいでしょう?大阪の方であれば「さよか。話すのんと同じでええんやな・・・(合ってますか?あまり自信が・・・)」。広島(中国地方)の方は「それかね。話すそとおんなじでええそかね・・・・」。北海道の方は・・・沖縄の方は・・・というわけで、実は話しことばもいろいろです。
もしも「地域限定歌作り」で無いのなら、歌詞は全国区(共通語)を基本で考えるとよいでしょう。
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クライマックスを! |
心を表現する音楽には当然<起伏>があります。「山あり・谷あり・平野あり・・・」「雨あり・晴れあり・嵐あり・・・」なのです。平安で穏やかなところがあり、拳を握り締め絶句する!・・・歌もある。ひとつの歌で言えば「ひとつの感情に支配された絶望的悲しみの世界」もあれば、「今は、ただただ穏やかなそよ風と太陽の世界」の歌もあるでしょう。しかしその中にも感情の起伏は勿論あるわけで、このことは、歌を聴いてくださる皆さんの心に共感・共鳴を感じていただく大前提となります。
今から始める「作詞」の段階でも「この歌でなにが言いたいか」「それをどのような起伏をもってつたえるか」を充分意識して<言葉を選び><クライマックスを設定>しましょう。
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ことばを構成する単位(メロディと文字数) |
今、我々が日常触れる音楽は拍子・音符(音の長さ・高さなど)ほかで表現されます。例えばおなじみの「スキー」は 「4分の4拍子」で、
や |
ま |
は |
/ |
し |
ろ |
が |
ね |
(2分音符) |
(4分音符) |
(4分音符) |
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(8分音符) |
(4分音符) |
(8分音符) |
(2分音符) |
となります。このことは詩を創る上でも重要です。ま、これについては<メロディづくり>の段階で考えればいいとも言えますが、このことを全く無視して歌詞を創ると、メロディ作りの際に途方にくれることになりかねません。少なくとも、創った詩を声に出して読んで、「口調の良さ」「リズミカルさ」を感じるものが、自然なメロディ創りにつながると言えます。
その典型的なものが、昔からある<七五調>です。
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お |
れ |
は |
/ |
か |
わ |
ら |
の |
/ |
か |
れ |
す |
す |
き |
/ |
お |
な |
じ |
お |
ま |
え |
も |
/ |
か |
れ |
す |
す |
き |
/ |
・・・・ |
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口調の良さが判りますよね。
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一番・二番・・・文字数から見た構成 |
前回も触れましたが、歌は通常一番・二番・・・と同じメロディを繰り返し、歌詞が変わってゆくかたちが多い。この場合、一番と二番で言葉の数が異なると、歌詞とメロディの調整の調整に困ってしまいます。
もしも、
1番の歌詞が はるの日の おもいでは おがわのながれ 野のきらめき
2番の歌詞が なつの夜は ほたるのひかり きらめく はな火
・・・これでは、同じメロディでは処理できません。例えば
1番の歌詞を はるの日の おがわのながれ 野のきらめき
2番の歌詞を なつの夜は ほたるがひかり はな火きらめく
とすれば、ほぼ同じ意味合いで1・2番が揃えられます。
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勿論、一番の中での感情の起伏、クライマックスの設定位置がそのまま二番・三番と一致することも大切です。
こう考えると、「同じ意味合いを別の言葉で言い替える経験も重ねた方がいいな」・・・となるでしょうか。
それでは、今回の最後に素敵な作品を紹介しましょう。岩手県盛岡市の<市立子ども科学館>主催で行われた「親子でつくる宙(そら)の歌」で誕生した作品です。同館には、規模も施設も日本屈指と言えるサイエンスドーム(プラネタリウム)がありますが、本音楽イベントは同ドームで上映中の作品『星ノ記憶』観賞を活用しておこなわれました。
@同プラネタリウムのマルチ映像・マルチ音響を生かして制作された<星になったポー>のお話しを親子で観賞。
A観賞後の想いを歌詞にまとめる
Bメロディづくり ⇒ この作品を編曲・伴奏制作・レコーディング(歌手は専門家のみなさん)
C作品発表コンサート(サイエンスドームで映像・音響効果を生かして)
では、当時小学5年生、あかりちゃんとお母さんの作品「♪仲間がかえってきた!」です。今回お話しした、<共通語><クライマックス><メロディと文字数><構成>が巧に生かされています。
「♪仲間がかえってきた!」
※本講座で使用される音楽は、すべて著者の監修により録音・編集されたものです。
※楽曲の著作権は、著者、および、作詞者・作曲者が有します。無断で使用することはできません。
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次回は「歌詞を創ろう(その3)」です。
どうぞお楽しみに。
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