こころの歌創作教室

第3回 歌詞を創ろう(その2)


共通語でいこうよ
 歌詞づくりの二回目です。前回、歌詞は「話しことば」の仲間と考えよう・・とお話ししました。突然ですが、あなたは何処にお住まいでしょう?大阪の方であれば「さよか。話すのんと同じでええんやな・・・(合ってますか?あまり自信が・・・)」。広島(中国地方)の方は「それかね。話すそとおんなじでええそかね・・・・」。北海道の方は・・・沖縄の方は・・・というわけで、実は話しことばもいろいろです。
 もしも「地域限定歌作り」で無いのなら、歌詞は全国区(共通語)を基本で考えるとよいでしょう。

クライマックスを!
 心を表現する音楽には当然<起伏>があります。「山あり・谷あり・平野あり・・・」「雨あり・晴れあり・嵐あり・・・」なのです。平安で穏やかなところがあり、拳を握り締め絶句する!・・・歌もある。ひとつの歌で言えば「ひとつの感情に支配された絶望的悲しみの世界」もあれば、「今は、ただただ穏やかなそよ風と太陽の世界」の歌もあるでしょう。しかしその中にも感情の起伏は勿論あるわけで、このことは、歌を聴いてくださる皆さんの心に共感・共鳴を感じていただく大前提となります。
 今から始める「作詞」の段階でも「この歌でなにが言いたいか」「それをどのような起伏をもってつたえるか」を充分意識して<言葉を選び><クライマックスを設定>しましょう。

ことばを構成する単位(メロディと文字数)
 今、我々が日常触れる音楽は拍子・音符(音の長さ・高さなど)ほかで表現されます。例えばおなじみの「スキー」は 「4分の4拍子」で、

(2分音符) (4分音符) (4分音符)   (8分音符) (4分音符) (8分音符) (2分音符)

 となります。このことは詩を創る上でも重要です。ま、これについては<メロディづくり>の段階で考えればいいとも言えますが、このことを全く無視して歌詞を創ると、メロディ作りの際に途方にくれることになりかねません。少なくとも、創った詩を声に出して読んで、「口調の良さ」「リズミカルさ」を感じるものが、自然なメロディ創りにつながると言えます。

 その典型的なものが、昔からある<七五調>です。

・・・・
             
(船頭小唄  野口雨情作詞・中山晋平作曲)


 口調の良さが判りますよね。

一番・二番・・・文字数から見た構成
 前回も触れましたが、歌は通常一番・二番・・・と同じメロディを繰り返し、歌詞が変わってゆくかたちが多い。この場合、一番と二番で言葉の数が異なると、歌詞とメロディの調整の調整に困ってしまいます。

もしも、

1番の歌詞が  はるの日の  おもいでは  おがわのながれ 野のきらめき
2番の歌詞が  なつの夜は  ほたるのひかり きらめく はな火

・・・これでは、同じメロディでは処理できません。例えば

1番の歌詞を  はるの日の  おがわのながれ 野のきらめき
2番の歌詞を  なつの夜は  ほたるがひかり はな火きらめく

とすれば、ほぼ同じ意味合いで1・2番が揃えられます。

 勿論、一番の中での感情の起伏、クライマックスの設定位置がそのまま二番・三番と一致することも大切です。  こう考えると、「同じ意味合いを別の言葉で言い替える経験も重ねた方がいいな」・・・となるでしょうか。

 それでは、今回の最後に素敵な作品を紹介しましょう。岩手県盛岡市の<市立子ども科学館>主催で行われた「親子でつくる宙(そら)の歌」で誕生した作品です。同館には、規模も施設も日本屈指と言えるサイエンスドーム(プラネタリウム)がありますが、本音楽イベントは同ドームで上映中の作品『星ノ記憶』観賞を活用しておこなわれました。 @同プラネタリウムのマルチ映像・マルチ音響を生かして制作された<星になったポー>のお話しを親子で観賞。 A観賞後の想いを歌詞にまとめる Bメロディづくり ⇒ この作品を編曲・伴奏制作・レコーディング(歌手は専門家のみなさん) C作品発表コンサート(サイエンスドームで映像・音響効果を生かして)

 では、当時小学5年生、あかりちゃんとお母さんの作品「♪仲間がかえってきた!」です。今回お話しした、<共通語><クライマックス><メロディと文字数><構成>が巧に生かされています。

※本講座で使用される音楽は、すべて著者の監修により録音・編集されたものです。
※楽曲の著作権は、著者、および、作詞者・作曲者が有します。無断で使用することはできません。




次回は「歌詞を創ろう(その3)」です。
どうぞお楽しみに。

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